nagano_haru

ステージの上に恋しちゃいます
相談者 女性 30歳
2009年8月1日朝日新聞 土曜版「Be」-悩みのるつぼ

 30歳の女性です。
 わたしは異性に対して臆病なのか、テレビの中やステージの上にいる人にばかり、故意をしてしまいます。
 高校生のとき、あるバンドのライブに通うようになり、メンバーの一人を好きになりました。ライブに通うためにバイトして、おしゃれして、という日々で、対象は変わっても、そのまま今に至っています。手紙を書き、プレゼントもします。
 その人と「付き合いたい」などと私がいうと、周囲は、「現実に目を向けなさい」とさとします。でも、現実の異性としゃべると、友人に言わせると、「ケンカ腰の口調」なのだそうです。自分では、緊張して口調がぎこちなくなってしまっていると感じているだけなのに。 
そんな小学生のような私を好きになってくれる人はかなり希少な存在だと長く思ってきたので、好きになっても、一歩引いてしまいます。
 子供のとき、いつも遊んでいる友だちは男の子にモテていました。でも、私は太っていて、「ブス」というようなことをいわれた思い出があります。その経験から、それまで普通に接していた異性ともまったく話しができなくなりました。いまは異性の友人も穂とかと製麻船。
 このまま、ステージの存在に恋をしつづけて一生独身なのかなあとか、漠然とした不安と寂しさを感じています。

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  男はいてもよし、いなくてもよし
回答者 社会学者 上野千鶴子
 
 あなたはこのままでは負け犬、おひとりさまになってしまうかも、とお悩みなんですね。
 大丈夫です。負け犬の大先輩、元祖おひとりさまのわたしが請け合いますから、なんのご心配も要りません。これまでの30年間、男いらずで過ごしてきたあなたは、これからの30年間も男いらずで過ごせるでしょう。あなたには、30年間「なしですませてきた」実績があるのですから、その頃になったらあなたの友人たちの大半もおひとりさまになってることでしょう。結局ひとは、自分に必要ないものは求めないものです
 ・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・。
 それより、あなたが仕事のことを一言も書いていないことのほうが気になります。30歳なら、そろそろ結婚を予定に入れない人生設計を考える年齢ですね。着実に仕事をして、年金をきちんと払い、ローンを組んで小さくても自分の住まいを確保し、同姓の友人を大切にしてひとり暮らしの足場をつくんなさい。
 「婚活」なんてしなくていい生活基盤をつくることですね。男はいてもよし、いなくてもよし。いた方がよい男もいれば、いない方がまし、な男もいます。つい「ケンカ腰」になるのは、相手を意識しすぎてる証拠。お友だちになってもいいしならなくてもいいや、と思っていたら自然に脱力して異性ともお近づきに慣れるでしょう。